健康経営のお話をすると、経営者の方からこんな言葉をいただくことがあります。
「社員の健康は大切だと思っている。でも、自分自身が健康的な生活を送れていないから、健康経営を始める資格なんてないよ。」
朝から夜まで仕事。取引先との打ち合わせや営業、経営判断、人材採用、資金繰り…。
中小企業の社長は、誰よりも忙しい存在です。
昼食はコンビニで済ませ、夜は会食。運動する時間もなく、健康診断の結果も気になっている。
それでも会社を守るために、自分のことは後回しにして働いている社長は少なくありません。
しかし私は、理学療法士として企業へ訪問し、健康経営エキスパートアドバイザーとして多くの経営者とお話しする中で、こう考えています。
健康経営は、「健康な社長」が始めるものではありません。社長も社員も一緒に健康について学び、一緒に変わっていくための取り組みです。
健康だから健康経営を始めるのではなく、健康になるために健康経営を始める。この考え方を持つことが、とても大切だと思っています。
健康経営は「社長が完璧」である必要はない
健康経営という言葉を聞くと、
「毎日運動している。」
「食生活も完璧。」
「健康診断の結果も問題なし。」
そんな理想的な経営者を想像してしまう方もいます。だからこそ、
「自分はそこまでできていない。」
「健康診断で再検査と言われている。」
「体重も増えてきた。」
「腰も痛い。」
そんな理由から、一歩踏み出せなくなる社長もいます。
ですが、健康経営は「健康自慢」をするための制度ではありません。
社員が安心して働ける環境を整え、会社全体で健康について考える文化を育てることが目的です。
その中には、もちろん社長自身も含まれています。
例えば、社員向けにストレッチを実施するなら、社長も一緒に参加してみる。
健康セミナーを開催するなら、社長も一緒に学んでみる。
睡眠や食生活について話を聞いたら、自分も少し実践してみる。
そんな姿を見せるだけでも、社員の受け取り方は大きく変わります。
「社長も頑張っている。」
「会社全体で取り組んでいる。」
この一体感が、健康経営を成功させる大きな力になります。

社長の健康は会社の未来そのもの
社員が体調を崩した場合、周りの社員がフォローすることができます。しかし社長は違います。
経営判断をするのも社長。
会社の方向性を決めるのも社長。
銀行との打ち合わせや重要な商談を行うのも社長です。
つまり、社長の代わりは簡単には見つかりません。
私は時々、
「社員が一人休むより、社長が一週間休む方が会社への影響は大きいですよ。」
とお話しします。
もちろん社員一人ひとりも大切な存在です。
しかし中小企業では、社長の存在が会社そのものと言っても過言ではありません。
だからこそ、社長の健康は個人の問題ではなく、会社全体の経営課題でもあるのです。
「会社を伸ばしているのに健康で損をする」のはもったいない
企業訪問をしていると、
「この会社、これからもっと伸びるだろうな。」
と思う会社にたくさん出会います。
社員を大切にしている。
技術力が高い。
お客様からの信頼も厚い。
そんな会社でも、社長が体調を崩したことで勢いが止まってしまうケースがあります。
例えば、
「腰痛が悪化して現場へ行けなくなった。」
「高血圧で入院した。」
「睡眠不足が続き、判断力が落ちてしまった。」
これらは決して珍しい話ではありません。
会社が順調だからこそ、社長はさらに忙しくなります。
忙しいから健康管理を後回しにする。
そして体調を崩してしまう。
これは非常にもったいないことです。
せっかく社員が頑張り、お客様から信頼され、会社が成長しているのに、そのブレーキが社長自身の健康問題になってしまうのは避けたいところです。
だから私は、「社員の健康づくり」と同じくらい、「社長自身の健康づくり」も大切だと考えています。
社長の姿は会社の文化になる
社長は会社の顔です。
採用面接に来た学生。
初めて訪問する取引先。
金融機関の担当者。
地域の方々。
多くの人が、社長を見て会社の印象を判断しています。
もちろん、健康そうに見えることだけが重要ではありません。
しかし、疲れ切った表情で余裕がなく、いつも体調が悪そうにしている社長と、笑顔で元気に挨拶をしてくれる社長では、会社全体の印象は大きく変わります。
また、社長の生活習慣は社員にも影響します。
「社長も昼休みに少し歩いている。」
「社長もストレッチをしている。」
「社長も健康診断を大事にしている。」
そんな姿を見ることで、社員も自然と健康への意識が高まります。逆に、
「健康なんて後回し。」
という姿勢が伝われば、それも会社の文化になってしまいます。
社長の行動は、想像以上に社員へ影響を与えているのです。
https://kenko-stretch.com/health-management-first-step/

完璧を目指さず、一緒に始めればいい
健康経営を始める時に必要なのは、完璧な知識でも、完璧な生活習慣でもありません。
「まずやってみよう。」
この気持ちだけで十分です。
朝5分だけストレッチをしてみる。
健康診断の結果を見返してみる。
社員と一緒に健康セミナーへ参加してみる。
そんな小さな一歩から始めればいいのです。
健康経営は、社員だけに健康を押し付けるものではありません。
社長も社員も一緒に学び、一緒に健康になっていく取り組みです。
だからこそ、
「自分は健康じゃないから無理。」
ではなく、
「自分も一緒に健康になっていこう。」
という考え方で始めてみてはいかがでしょうか。
会社にとって、社長は最も代わりのきかない存在です。
社員のためにも、お客様のためにも、そして会社の未来のためにも。
まずは社長自身の健康を大切にすることが、健康経営の第一歩になるのではないでしょうか。
社長が変わると、会社も変わる
健康経営を進めている企業を見ていると、共通して感じることがあります。
それは、「社長が少し変わるだけで、会社全体が変わる」ということです。
例えば、朝出社した社長が社員へ元気に挨拶をする。
昼休みに社員と一緒にストレッチへ参加する。
「健康診断の結果どうだった?」と自然に声を掛ける。
こうした何気ない行動は、制度を一つ導入するよりも大きな影響を与えることがあります。
社員は社長の姿をよく見ています。
「社長が本気で健康を大切にしている。」
そう感じることで、健康経営は「会社から言われてやること」ではなく、「みんなで取り組むこと」へ変わっていきます。
反対に、社員だけが健康づくりを頑張り、社長は全く興味を示さない状態では、健康経営は形だけになってしまいます。
だからこそ、社長自身が完璧である必要はありませんが、「一緒にやろう」という姿勢を見せることが何より大切なのです。
社長自身が健康になることは、最高の福利厚生になる
福利厚生というと、
スポーツジムの補助。
健康診断の充実。
ストレッチ教室。
ウォーキングイベント。
このような制度を思い浮かべる方が多いでしょう。もちろん、どれも素晴らしい取り組みです。
しかし私は、それ以上に効果が大きいものがあると思っています。
それは、
「元気な社長が毎日会社にいること」です。
社長の表情が明るい。
前向きに話をしてくれる。
困った時に相談しやすい。
こうした安心感は、社員のエンゲージメントにも大きく影響します。
逆に、社長がいつも疲れていて、余裕がなく、体調も悪そうだと、社員は必要以上に気を遣ってしまいます。
職場の雰囲気は、社長の健康状態によっても大きく変わるのです。
健康経営は「社員のため」だけではない
健康経営という名前から、
「社員のために何かをするもの」
と思われがちです。もちろん、それは間違いではありません。しかし本当は、
社員だけではなく、社長、管理職、
そして会社そのものを守るための取り組みでもあります。
社員が元気に働く。
管理職も無理をしない。
社長も健康で判断力を維持する。
その積み重ねが、
離職防止
採用力の向上
生産性向上
企業イメージの向上
そして企業の成長へとつながっていきます。
健康経営とは、「健康」という言葉を使っていますが、実際には経営そのものを支える考え方なのです。
まずは社長自身の身体の声を聞いてみませんか?
私が企業へ訪問すると、社員さんだけではなく、社長からも身体の相談を受けることがあります。
「最近、肩が上がらない。」
「腰痛が慢性化している。」
「疲れが全然取れない。」
「健康診断で再検査と言われた。」
そうした相談を受けるたびに思うのは、社長ほど自分の身体を後回しにしているということです。
社員には「無理するなよ」と声を掛けるのに、自分は無理を続けてしまう。
そんな社長は本当に多くいらっしゃいます。
だから私は、社員の健康づくりを支援するだけでなく、社長自身の健康づくりも大切にしたいと考えています。
社長の身体が変わることは、会社の未来を守ることにもつながるからです。
https://kenko-stretch.com/visit-conditioning-support/

まとめ
「社長が健康じゃないと健康経営はできない。」
そう思って、一歩踏み出せない経営者の方は少なくありません。
しかし実際には、その逆です。
健康経営は、健康な人だけが始めるものではなく、健康になりたい人たちが一緒に取り組むものです。
社長も社員も完璧である必要はありません。
まずは一緒に学び、一緒に実践し、一緒に成長していく。
その積み重ねが、健康経営を会社の文化へと変えていきます。
会社をここまで育ててきた社長だからこそ、自分自身の健康も大切にしてください。
社長の代わりは、誰にも務まりません。
会社の未来を守るためにも、社員の笑顔を守るためにも、そしてご自身が長く元気に経営を続けるためにも。
健康経営の第一歩は、「社長自身も健康づくりを一緒に始めること」なのかもしれません。
参考リンク
経済産業省「健康経営」
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html
ACTION!健康経営
https://kenko-keiei.jp/
企業ストレッチとは
大阪府松原市を拠点にする企業ストレッチは、
「健康」を「組織の活力」につなげる、企業向けの健康経営をサポートする会社です。
ヘルスケア研修・体操教室・コンディショニングサポートなどの運動プログラムから、
健康経営優良法人の認定サポートまで、導入から定着・内製化までしっかり伴走。
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