2026年7月14日、経済産業省で「第6回健康経営推進検討会」が開催されました。
この検討会では、健康経営優良法人2027(令和8年度申請)の方向性や、健康経営度調査・認定制度の見直し案について議論されています。
健康経営優良法人を目指している企業にとっては、
「今年は何が変わるの?」
「今から何を準備すればいい?」
という点が一番気になるところでしょう。
今回の変更は、単純に項目が増えたという話ではありません。
「認定を取ること」から、「本当に社員が健康で活躍できる会社を増やすこと」へ制度が進化している
また、取り組みやすく持続可能な制度になってきていると感じました。
今回は、第6回健康経営推進検討会の内容をもとに、分かりやすく整理して解説します。
そもそも健康経営推進検討会とは?
健康経営優良法人認定制度は、毎年突然変更されているわけではありません。
経済産業省と日本健康会議が中心となり、
- 健康経営が本当に企業へ浸透しているか
- 時代に合った制度になっているか
- 企業の負担は大きすぎないか
などを検討しながら制度を改善しています。
つまり、この検討会で議論された内容が、翌年度以降の認定制度へ反映されていきます。
昨年も、出された案が認定項目に大きく反映され、
「仕事と育児又は介護の両立支援」「高齢従業員への取組」
の2項目が追加されました。
そのため、健康経営優良法人2027を目指す企業は、この内容を知っておくことが非常に重要です。

今回の大きなテーマは「量から質」への転換
健康経営が広まり始めた頃は、「まずは多くの企業へ取り組んでもらう」ことが重視されていました。
現在では認定企業数も大きく増え、健康経営は特別なものではなくなってきています。
そこで今後は、
「本当に健康経営が機能している企業かどうか」
が今まで以上に重視される方向へ変わっています。
つまり、チェック項目を埋めることよりも、社員の健康づくりが実際に行われているか。
経営へ活かされているか。改善を続けているか。
そういった”質”を見る制度へ変化しているのです。
これは健康経営本来の目的を考えると、とても自然な流れだと思います。
【5分で解説】健康経営とは?今、多くの企業が取り組む理由を分かりやすく解説
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回答負担は減らしながら、中身は深く見る方向へ
一見すると、「項目が増えるのかな?」と思われるかもしれません。
しかし今回の資料では、企業の回答負担を軽減することも基本方針として示されています。
つまり、同じような質問は整理し、本当に確認したい内容へ集約していく方向です。
企業側としては、「質問数は減った。」と感じる一方で、
一つ一つの質問に対して、実際に取り組めているかどうかが今まで以上に重要になります。
長時間労働への対応がさらに重要になる
今回、特に印象的だったのが、長時間労働対策への考え方です。
健康経営では以前から長時間労働は重要項目でした。
しかし今後は、「制度があります。」だけでは十分とは言えません。
例えば、
長時間労働者へ面談を実施しているか。
改善へ向けて実際に取り組んでいるか。
管理職まで含めて運用されているか。
こうした”実効性”がより重視される方向になっています。
長時間労働は、
メンタルヘルス不調
睡眠不足
生活習慣病
離職
生産性低下
など、多くの健康課題へ直結します。
だからこそ、「健康施策を増やす」よりも、
「まず長時間労働を改善する」
という考え方が健康経営では非常に重要になります。
健康経営を「PDCA」で回しているか
もう一つ大きなポイントが、PDCAサイクルです。
例えば、
健康診断を受けました
ストレッチを実施しました
セミナーを開催しました
これだけでは健康経営とは言えません。重要なのは、
その結果どうだったのか。
参加率はどうだったか。
社員の反応はどうだったか。
来年度はどう改善するのか。
という改善活動です。
健康経営は、健康経営単独で考えるものではないです。
経営課題を解決するための手段として、社員と一緒に成長していく為に機能させていくものです。
健康経営を導入したのに変わらない会社の3つの理由
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エンゲージメントへの考え方もさらに重要に
今回の検討会資料では、健康だけではなく、エンゲージメントとの関係についても触れられています。
社員が健康でも、
会社へ愛着がない。
仕事へやりがいを感じない。
相談できる人がいない。
この状態では、健康経営は成功とは言えません。逆に、
健康づくりを通して、
コミュニケーションが増え、
会社への信頼が高まり、
働きやすさが向上する。
そうした状態が、本来目指す健康経営です。私は、健康経営で本当に面白いのは、
社内のコミュニケーション改善が想像以上に進む
という事だと思ってます。
今後は、身体の健康だけではなく、
働きがいや職場環境まで含めた取り組みがより重要になっていくでしょう。
健康データの「活用」がこれまで以上に重要になる
健康診断を実施して終わり。ストレスチェックを実施して終わり。
これは健康経営ではありません。
今後は、取得した健康データをどのように分析し、次の施策へ活かしているかがより重視される方向になっています。
健康診断で血圧の有所見者が多い→高血圧予防セミナーを開催する。
腰痛による休職者が多い→現場改善やストレッチを導入する。
ストレスチェックの高ストレス者が増えている→管理職研修やラインケアを強化する。
このように、「データから課題を見つけ、その課題に合わせた施策を行う」という流れが求められます。
企業によって健康課題は異なります。
製造業では腰痛や熱中症が多いかもしれません。
IT企業では座りすぎや眼精疲労、睡眠不足が課題かもしれません。
介護・福祉業界では腰痛に加え、感情労働によるメンタルヘルス対策が重要になるでしょう。
これらは、業種別カルテなどを活用すれば更に見えやすくなります。
だからこそ、「他社がやっているから」ではなく、自社に必要な取り組みを考えることが健康経営の本質と言えます。
中小企業は「全部やる」必要はない
今回の資料を見て、「またやることが増えるのか…。」と感じた担当者の方もいるかもしれません。
しかし、私はそうは思っていません。
健康経営優良法人2027で求められているのは、施策の数ではなく「考え方」です。
大切なのは、
「自社の課題は何か。」「その課題を改善するために今年は何を行うか。」
を整理し、少しずつ改善を積み重ねていくことです。
中小企業の強みは、経営者と社員の距離が近いことです。
現場の声をすぐに聞くことができ、小さな改善を素早く実行できます。
この強みを活かせば、大企業にはない健康経営を実現することも十分可能です。
ばたやんが感じた今回の変更点
理学療法士として企業へ訪問し、健康経営支援を行っている立場から見ると、今回の制度見直しは非常に良い方向へ進んでいると感じました。
以前は、「認定を取ること」が目的になってしまう企業も少なくありませんでした。
しかし、今回の方向性では、
「社員が本当に健康になっているか。」
「会社が改善を続けているか。」
という本質が重視されています。
これは私が普段企業へお伝えしている考え方とも一致しています。
健康経営はイベントではありません。
年に一度だけ健康セミナーを開催して終わりでもありません。
社員が毎日少しずつ働きやすくなり、健康に働ける環境を整え続けることが健康経営です。
その積み重ねが、
離職防止
採用力向上
生産性向上
エンゲージメント向上
そして企業価値の向上につながります。
今回の制度変更は、そうした「継続的な改善」を後押しする内容になっていると感じました。

申請スケジュールに関して
申請期間は
大規模法人 8/17~10/9
中小規模法人 8/17~10/16
となりました。申請時期の間違いなどある会社の声もチラホラ聴きますので、まずはスケジュールの確認をお願い致します。
健康経営優良法人2027へ向けて今から準備したいこと
制度が始まってから慌てるのではなく、今から準備を進めることで余裕を持って申請できます。例えば、
健康診断の受診率や再検査受診率を確認する。
ストレスチェックの結果を振り返る。
長時間労働者の状況を把握する。
管理職へのラインケア教育を進める。
今年行った健康施策を整理し、来年度へ改善点をまとめる。
こうした一つひとつの積み重ねが、健康経営優良法人2027への準備になります。
認定取得だけを目的にするのではなく、「社員が元気に働ける会社をつくる」という視点で取り組むことが、結果として認定にもつながるでしょう。
まとめ
第6回健康経営推進検討会では、健康経営優良法人2027へ向けた制度見直しの方向性が示されました。
今回のキーワードは、
「量から質へ」です。
取り組みの数ではなく、課題を分析し、改善し、継続する。
そうした健康経営本来の姿勢が今まで以上に求められる制度になっていくと考えられます。
中小企業だからこそ、社員との距離の近さを活かし、小さな改善を積み重ねることができます。
健康経営優良法人はゴールではありません。
社員が健康で、安心して働き続けられる会社をつくるための通過点です。
制度の変更を前向きに捉え、自社らしい健康経営を進めていきましょう。
企業ストレッチでは、健康経営優良法人を始めて取り組む会社様から
数年やってきて課題解決が思ったより進んでいない会社の見直しまで対応しております。
まずは気軽にお問い合わせください。
当社の健康経営優良法人認定サポート
https://kenko-stretch.com/kenko-keiei-nintei-support/
参考リンク
経済産業省「第6回 健康経営推進検討会」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/health_management/006.html
経済産業省「健康経営優良法人認定制度」
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html
ACTION!健康経営
https://kenko-keiei.jp/
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