健康経営という言葉を聞いた事はあるものの、
「福利厚生と何が違うの?」
「健康診断を受けさせること?」
と思われる方も少なくありません。
健康経営とは、従業員の健康を経営課題として捉え、会社の成長につなげる考え方です。
単に従業員のために行う活動ではなく、企業の未来への投資とも言えます。

健康経営はどこから始まったのか
健康経営の考え方はアメリカで生まれました。
「従業員の健康状態が企業の業績に影響する」という考え方が広まり、日本でも経済産業省を中心に取り組みが進められています。
現在では「健康経営優良法人認定制度」も整備され、多くの企業が取り組むテーマとなっています。
健康経営優良法人認定制度とは
健康経営優良法人認定制度は、「従業員の健康づくりに積極的に取り組む企業を評価」する制度です。
2016年から中小企業では開始となり、2026年度には26,000社以上が認定を受けています。
認定項目をクリアし、申請期間に申請書を提出し、審査が無事通れば認定を受けられます。

健康経営の大きな目的は2つ
生産性を高めること
従業員が健康で働きやすい状態になることで、本来の力を発揮しやすくなります。
体調不良による欠勤だけでなく、出勤していても十分なパフォーマンスを発揮できない状態を減らすことにもつながります。
そして「生産性を高める」とは、個人の一時的なことだけでは無いです。
・社内のコミュニケーションが良好になり、連携がスムーズになる
・社員が成長しやすくなる
・社員同士が協力したり、会社への貢献に前向きになる
など、会社全体としてイキイキ働く事です。
人材を確保すること
少子高齢化が進み、人材確保は多くの企業の課題になっています。
求職者は給与だけでなく、
「安心して働ける会社か」
を見ています。健康経営への取り組みは、採用や定着にもつながる重要な要素になっています。
離職率:全国平均の半分以下(毎年、認定企業との比較が出ております)
採用:最近では6割以上の方が「健康経営認定があるかは重要な指標」としている。
「人がいないから人がいない」という中で、社員の定着を促しながら成長しやすい環境を作るのに健康経営はとても適した経営手法です。

なぜ今、健康経営が求められているのか
少子高齢化による人材不足。メンタルヘルス不調による休職者の増加。働き方の多様化。
企業を取り巻く環境は大きく変化しています。
これからの企業には、「人を大切にする仕組み」が求められています。
健康経営は、その仕組みづくりの一つです。
福利厚生と健康経営の違い
福利厚生:従業員の生活の向上を支援する目的(引用元:大辞泉/ JapanKnowledge)
健康経営:企業の価値向上に繋げる目的
健康経営とは、「従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する経営手法」と定義されており、その取り組みが
株価向上や企業価値向上に繋がる事が期待されている。と記載されています(Action!健康経営 「健康経営とは」)
経営的な視点とは何か
例として、介護施設で考えましょう。介護動作中に社員がぎっくり腰となり、休業を余儀なくされました。
すると、
・穴埋めによる他職員への影響
・本人や疲弊した社員の退職リスク
・復帰後も生産性が低下している
・人員配置基準がギリギリ
・労災申請
となるリスクは高まります。
戦略的に取り組むとはどういうことか
上記の様なリスクを考えると、会社の戦略として
①従業員がぎっくり腰になってから対処する
②従業員がぎっくりにならないように対策する
どちらが良さそうでしょうか?
おそらく、②となると思います。労災や休職、退職してからだと遅いです。
ですが、取れるリソースは限られてきますので、最小限の投資で最大限の効果を出す必要があります。
なので、年齢、男女比率、皆が不安に思っている事、どの動作で過去に痛めた人がいるか
などを評価し、適切な対策を取る事で効果を最大化出来ます。
例えば、腰痛の原因が社員教育不足だった場合、
「理学療法士による腰を痛めない介護動作の実演」
「腰痛にならない為のセルフケア指導」
「職場に介護動作で気を付けるべき事を貼っておく」
など、今の環境と照らし合わせ、最適な投資を考える事です。

私たちが健康経営を支援する理由
私は、病院時代に「働く人が健康を害するリスク」を見てきました。私は働く人の健康を守りたいです。
ただ、それは「福利厚生」ではなく、「企業の成長の為」という考えがあると、会社も更に続けやすく、
より持続的な取り組みとなってきます。
無理無く継続でき、会社も社員も皆がイキイキと出来る環境作りをする事が健康経営を支援する大きなモチベーションとなっています。
まとめ
健康経営は福利厚生ではありません。
会社をより良くするための経営戦略です。
従業員の健康と会社の成長は、決して別々のものではありません。
私たちは健康経営を通じて、企業と働く人の未来づくりを支援していきます。