会社が成長し、社員数が増えてくると、
「50名を超えると義務が増えるらしい。」
そんな話を耳にしたことはありませんか。
実際によくいただくご相談も、「産業医はいつから必要ですか?」「ストレスチェックは何人から義務ですか?」「衛生委員会はいつ設置すればいいのでしょうか?」
という内容です。ここで注意したいのは、
法律上の基準は『会社全体の社員数』ではなく、『1つの事業場で常時使用する労働者が50名以上』であることが多いという事です。
例えば、本社30名、営業所25名の場合、会社全体では55名ですが、本社も営業所も50名未満です。
この場合、産業医の選任や衛生委員会の設置などは原則として義務にはなりません。
一方で、本社だけで50名以上勤務している場合には、多くの制度が義務となります。
今回は、「1つの事業場で常時使用する労働者が50名以上」の場合を中心に、必要となる制度や、健康経営との関係について分かりやすく解説します。
なぜ「50名」が一つの基準なのか
労働安全衛生法では、働く人が安全で健康に仕事ができるよう、事業場の規模に応じて必要な体制を整えることが定められています。事業場の人数が増えるほど、
健康管理
労働時間の管理
メンタルヘルス対策
職場環境の改善
など、管理すべき内容も増えていきます。
そのため、50名以上の事業場では、専門家を交えながら組織的に健康管理を行うことが求められています。
これは企業へ負担を増やすためではなく、社員が安心して働き続けられる職場をつくることが目的です。

50名以上の事業場で必要になる主な義務
50名以上になると、代表的には次のような制度への対応が必要になります。
| 項目 | 基準 | 内容 |
|---|---|---|
| 定期健康診断 | 全事業場 | 年1回以上実施 |
| 健康診断結果報告 | 50名以上の事業場 | 労働基準監督署へ報告 |
| 産業医の選任 | 50名以上の事業場 | 健康管理・面接指導などを担当 |
| 衛生管理者の選任 | 50名以上の事業場 | 衛生管理業務を担当 |
| 衛生委員会の設置 | 50名以上の事業場 | 毎月1回以上開催 |
| ストレスチェック | 50名以上の事業場 | 年1回以上実施 |
| 長時間労働者への面接指導 | 対象者がいる場合 | 医師による面談を実施 |
この中で勘違いされやすいのが健康診断です。健康診断は人数に関係なく、事業者に実施義務があります。
50名以上になることで追加されるのは、健康診断結果の報告や産業医との連携など、健康管理体制そのものです。
ちなみに、障害者雇用義務は企業全体で40名以上です。(週所定労働時間20時間以上の労働者等で計算)。
法定雇用率(2026年現在は2.7%)を満たす人数の障害者を雇用する義務があります。
色々あってややこしいですね💦
義務を満たすだけでは健康経営にはならない
ここで知っておきたいのが、法令対応と健康経営は別のものということです。
健康診断を実施した。
ストレスチェックを行った。
産業医を選任した。
これで法律上の義務は果たせます。しかし、健康経営はその先にあります。
健康診断結果を分析する。
ストレスチェックから職場環境を改善する。
長時間労働が発生する原因を考える。
社員が働きやすい職場づくりにつなげる。
大事なのは行った後、何をするか。課題分析だけでは前に進みません。
こうした改善活動まで行って初めて、健康経営として成果につながります。法律で求められていることはスタートラインであり、健康経営はそこから会社をより良くしていく取り組みなのです。
50名になる前から準備しておくことが大切
「まだ50名未満だから大丈夫。」
そう考える企業もありますが、50名になってから準備を始めると、意外と時間が足りません。
産業医を探す。
衛生管理者を選任する。
衛生委員会を立ち上げる。
ストレスチェックの実施方法を決める。
こうした準備には一定の期間が必要です。実際、50名を超える直前で産業医を探すご相談も受けますが、
皆さんバタバタして決められている印象です。
人が合う、合わないや金額面、時間、訪問場所、何をお願いしたいかなど
色々と擦り合わせたりする必要があるからです。
そのため、40名を超えた頃から少しずつ準備を始める企業も少なくありません。
健康診断結果を整理する。
社員の健康課題を把握する。
健康教育を取り入れる。
生活習慣アンケートで会社全体の傾向を知る。
このような取り組みは、50名未満でも十分に始められます。
早めに取り組んでおくことで、50名を超えた後も無理なく健康管理体制を構築できます。

義務を「会社づくり」に活かす
義務という言葉には、「やらなければいけないもの」というイメージがあります。
しかし、見方を変えれば、会社をより良くするための仕組みでもあります。
ストレスチェックは社員の声を知る機会になります。
衛生委員会では現場の課題を共有できます。
産業医へ相談することで専門的なアドバイスも受けられます。
実際にやったまま放置しているケースも多く聞きますが、そのケースでは大半が社員様から
「何もしてくれない会社」というレッテルも貼られています。
折角やるなら、改善活動まで活かす方が会社、社員共に前向きになれ、信頼関係もより醸成されるケースも多いです。制度を形だけで終わらせるのではなく、会社の改善へ活かすことで、その価値は大きく変わります。
健康経営と組み合わせることで効果はさらに高まる
法令で求められている内容だけでは、社員の健康課題がすべて解決するわけではありません。
健康診断結果を分析する。
生活習慣を把握する。
健康教育を実施する。
職場環境を改善する。
社員とのコミュニケーションを増やす。
こうした健康経営の取り組みを組み合わせることで、
採用や定着への仕組みづくり、生産性の向上、エンゲージメントの向上にも良い影響が期待できます。
法律への対応をきっかけに、働きやすい会社づくりまで進めていくことが、これからの企業には求められています。
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企業ストレッチがお手伝いできること
企業ストレッチでは、50名を迎える企業や、これから健康管理体制を整えたい企業をサポートしています。
健康経営優良法人認定支援。
生活習慣アンケート。
健康教育・研修。
訪問コンディショニングサポート。
健康相談窓口。
産業保健機関との連携支援。
会社ごとに抱える課題は異なります。
そのため、制度への対応だけではなく、健康経営まで含めた体制づくりを一緒に考え、ご提案しています。
健康経営優良法人認定サポート
https://kenko-stretch.com/kenko-keiei-nintei-support/
まとめ
50名以上で義務となる制度は、
正確には「1つの事業場で常時使用する労働者が50名以上」が基準となっている事が多いです。
産業医の選任。
衛生管理者の配置。
衛生委員会の設置。
ストレスチェック。
健康診断結果報告。
これらは法律で定められた重要な制度です。しかし、本当に大切なのは義務を果たすことではなく、その制度を活用して社員が安心して働ける職場をつくることです。
50名になってから慌てるのではなく、少し早い段階から健康管理や健康経営へ取り組むことで、よりスムーズな体制づくりにつながります。
会社の成長に合わせて健康管理体制も成長させることが、これから長く選ばれる企業づくりにつながるでしょう。
参考リンク
- 厚生労働省|労働安全衛生法の概要
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000110185.html - 厚生労働省|ストレスチェック制度について
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/ - 厚生労働省|産業医制度について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11331.html
企業ストレッチとは
大阪府松原市を拠点にする企業ストレッチは、
「健康」を「組織の活力」につなげる、企業向けの健康経営をサポートする会社です。
ヘルスケア研修・体操教室・コンディショニングサポートなどの運動プログラムから、
健康経営優良法人の認定サポートまで、導入から定着・内製化までしっかり伴走。
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