「カスハラって、結局どこからがハラスメント?」
「お客様からクレームを受けたら、全部カスハラなの?」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
2026年10月1日から、カスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」への対策が企業の義務になります。
実はパワハラについては、すでに2022年から中小企業を含めて防止措置が義務化されています。
今回は、カスハラとは何なのか、なぜ対策が必要になったのか、そして上司・部下・会社それぞれが気を付けたいことを整理します。
そもそも「カスハラ」って何?
カスタマーハラスメントは、簡単にいうと、
お客様などの言動が、社会通念上許容される範囲を超え、その結果として働く人の就業環境が害されること
です。
ここで大切なのは、
「クレーム=カスハラ」ではない
ということ。
商品に不具合があった。
サービスについて説明してほしい。
契約と違うので対応してほしい。
こうした正当な申し出までカスハラになるわけではありません。
一方で、脅迫、暴言、暴行、土下座の強要、長時間の拘束、過度な要求などは、カスハラに該当する可能性があります。
つまり、
「何を言ったか」だけではなく、「要求の内容や手段が社会通念上どうなのか」
を見ることが大切です。

なぜ今、カスハラ対策が必要になったの?
カスハラは、働く人の心身への負担だけでなく、職場全体にも影響します。
厚生労働省の調査では、過去3年間に顧客等からの著しい迷惑行為を経験した労働者は10.8%でした。
また、企業側の調査では、顧客等からの著しい迷惑行為について相談があった企業のうち、「相談件数が増加している」と回答した割合が「減少している」を上回っています。
こうした状況もあり、働く人を守るための仕組みとして、2026年10月から企業に対策が求められることになりました。
パワハラとは何が違う?
パワハラとカスハラは、どちらも「働く人の環境を守る」という点では似ています。
ただし、誰からの言動なのかが違います。
| パワハラ | カスハラ | |
|---|---|---|
| 主な相手 | 上司・同僚など職場の人 | 顧客・取引先・利用者など |
| 背景 | 優越的な関係 | 顧客等との関係 |
| 例 | 必要以上の叱責、暴言、過大な要求など | 暴言、脅迫、長時間拘束、不当な要求など |
| 企業の対応 | 防止措置が義務 | 2026年10月から防止措置が義務 |
パワハラは、2022年4月から中小企業にも防止措置が義務化されています。
そして今回、会社の「外側」から受けるハラスメントについても、企業が対応することになりました。

上司が気を付けたいこと
カスハラが起きたとき、
「お客様なんだから、とにかく謝っておけ」
と部下に任せきりにするのは避けたいところです。
もちろん、お客様の意見に耳を傾けることは大切です。
ただし、明らかに対応の範囲を超えている場合には、
「一人で対応させない」
ことも上司の重要な役割です。
厚生労働省の指針でも、必要に応じて管理監督者が労働者に代わって対応することや、労働者を一人で対応させないことなどが示されています。
「困ったら上司に相談していい」
「会社が守ってくれる」
という安心感があるだけでも、働く人にとっては大きな支えになります。
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部下・現場の社員が気を付けたいこと
一方で、現場の社員にも大切なことがあります。
それは、
「嫌なことを言われた=すぐカスハラ」と決めつけないこと。
お客様からの正当な意見や苦情には、きちんと向き合う必要があります。
「何が問題だったのか」
「会社として改善できることはないか」
を考えることも大切です。
そのうえで、自分一人では対応が難しいと感じたら、早めに上司へ相談する。
我慢して抱え込む必要はありません。
会社として何を準備すればいい?
今回の義務化で重要なのは、
「カスハラが起きたら、その場で何とかする」ではなく、「起きたときに会社として対応できる仕組みを作っておく」
ことです。
会社としては、主に次のような準備が必要になります。
- カスハラに対する会社の方針を決める
- その方針を社員に周知する
- 相談窓口を決める
- 相談を受けた後の対応方法を決める
- 被害を受けた社員への配慮を行う
- 再発防止につなげる
つまり、
「困ったら誰に相談する?」
「誰が対応を代わる?」
「その後、社員のケアをどうする?」
を、あらかじめ決めておくということです。
会社として決める重要性
例えば、「ルールの無い野球」があればどうなりますでしょう?
マウンドの距離はバラバラ、打ったら3塁に走る、ホームでのタックルは横行(極端ですが笑)
カオスです笑
会社として方針を決める事でその場対応にならず、
ルールが生まれる事で対応の質が高まります。
法律が変わるいいタイミングです。是非、社内改善の中で進めてみて下さい。

カスハラ対策は「社員を守る仕組み」
カスハラ対策というと、「クレームを断るための仕組み」と思われるかもしれません。
でも、本来は少し違います。
お客様の正当な意見にはきちんと向き合う。
その一方で、働く人が必要以上に傷つけられたり、一人で抱え込んだりしないようにする。
その両方を実現するための仕組みです。
ハラスメント対策は、問題が起きた人だけを守るものではありません。
「困ったときに相談できる」
「会社が一緒に対応してくれる」
という環境をつくることは、社員が安心して働くための土台にもなります。
カスハラの義務化をきっかけに、
「うちの会社では、社員を守る仕組みができているかな?」
と、一度考えてみるのも良いかもしれません。
参考リンク
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